「良い」といわれる関わりが、うまく届かないとき
- かきのき教育支援室コンブリオ yukie

- 3 日前
- 読了時間: 3分
その子に合った“支え方”を見つける視点
ほめる、励ます、待つ、選ばせる。
どれも、子どもを大切にする関わりとして、よく言われることです。
しかしながら、一般的に「良い」とされる関わりが、その子の状態によっては、うまく届かないことがあります。
大人は安心させたいと思って声をかけているのに、子どもは余計に固まってしまう…
そんなときは、
その関わりが間違っているというより、今のその子へ届く形に、少し調整が必要なサインかもしれません。
そんな中から二つの例をご紹介します。
「ほめる」が、プレッシャーになるとき
子どもをほめることは、とても大切です。
「できたね」「すごいね」「がんばったね」という言葉が、子どもの自信につながることもたくさんあります。
でも、完璧主義が強い子や、評価に敏感な子にとっては、ほめ言葉が安心ではなく、プレッシャーとして届くことがあります。
たとえば、
・次も同じようにできなきゃ
・できない自分は見せられない
・ほめられるくらいちゃんとしなきゃ
そんなふうに、
ほめ言葉が「期待」や「評価」として受け取られてしまうことがあります。
この場合は、大きく持ち上げる言葉よりも、良し悪しをつけずに、今起きていることを静かに受け取る言葉の方が、安心につながりやすいことがあります。
たとえば、
・「ここまで書いたんだね」
・「今日はここまで進んだね」
・「途中まででも、出せる形にできたね」
ほめることが悪いわけではありません。
ただ、その子が緊張しやすい時期には、「評価する言葉」よりも「見ているよ、受け取ったよ」という言葉の方が、届きやすいことがあります。
「成功体験を積ませる」が、失敗できない空気になるとき
成功体験は、子どもの自信につながります。けれど、成功体験を重ねることが目的になりすぎると、子どもによっては、
「成功しなきゃ意味がない」
「失敗したら終わり」
「できるものしかやりたくない」
となることがあります。
この場合、子どもは怠けているわけではなく、
「できた自分」は受け入れられるけれど、「できない自分」は見せられない、という緊張の中にいることがあります。
本当に必要なのは、成功だけを積み重ねることではなく、うまくいかない時があっても大丈夫だったという経験です。
たとえば、
・間違えても、直せばいい
・途中で止まっても、また戻ればいい
・今日は少しだけやって終わりでもいい
・できなかったところを一緒に見てもらえた
・失敗しても、関係が悪くならなかった
こうした経験があると、
子どもは少しずつ、
「できる時の自分」だけでなく、「うまくいかない時の自分」も持ちこたえやすくなります。
成功体験は大切です。
けれど、それと同じくらい、失敗しても大丈夫だった体験も大切です。
「できたかどうか」だけで見ずに、その子が安心して試せる形になっているか。
そこを見ていくことが、次の力につながっていきます。
大切なのは「正しい関わり」より「届き方」
ほめる、励ます、選ばせる、待つ。
どれも、大切な関わりです。
けれど、子どもが固まる、怒る、黙る、避ける、苦しそうになる時は、その関わりが悪いというより、今のその子には、少し形を変えた方が届きやすいというサインかもしれません。
大切なのは、
「この関わり方が正しいかどうか」だけでなく、
その子に安心として届いているかを見ていくことです。

子どもを支える関わりには、白黒の正解があるわけではありません。
同じ子でも、
その日の疲れ具合、環境、気持ちの状態によって、必要な支え方は変わります。
今日はいっしょにやる。
今日は選択肢を少なくする。
今日は待つけれど、声はかけておく。
今日はほめるより、事実だけを受け取る。
そんなふうに、
その子の今に合わせて、支え方を少しずつ調整していくことが、親子にとっての安心につながっていきます。





コメント